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サッカースタジアム

サッカーワールドカップ・ドイツ大会もベスト8が出そろい一段落付きました.深夜のテレビ観戦でお疲れの方も多いと思います.もう20年近く前になりますが,ドイツのミュンヘンでブンデスリーガの試合を観たことがあります.会場はミュンヘン・オリンピック・スタジアムでした.
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このスタジアムは1972年のミュンヘンオリンピックのために建設された陸上競技場を兼ねた施設です.その後1974年にはサッカーワールドカップドイツ大会の決勝戦,ドイツ対オランダの舞台ともなり,見事地元ドイツが優勝をおさめています.設計はグンタ・ベーニッシュという人らしいのですが,この人についてはよくわかりません.
このスタジアムを訪れたとき最初に驚いたのは,客席の半分くらいに軽快な膜状の屋根がかかっていたことです.何しろそれまでサッカーの試合を観たのは国立競技場くらいですから,観客席に屋根がかかっていることは新鮮でした.今回のワールドカップもこのスタジアムが会場になるのだと思っていたのですが,開幕戦のドイツ対コスタリカの試合が行われたのは新しくつくられたアリアンツ・アリーナでした.調べてみると現在FIFAが定めるワールドカップの会場仕様で,「客席の2/3以上に屋根がかかっていること」という規定があるので,ミュンヘン・オリンピック・スタジアムではだめだったのでしょう.なおかつ陸上競技場を兼ねた施設なので客席とフィールドの間が遠いのも欠点でした.
さて,この新しいアリアンツ・アリーナを設計したのがスイスのヘルツォーク&ド・ムーロンというユニットです.ただこの人達の仕事はこれまでのいわゆる「設計」という行為よりは「建築における総合プロデュース(製作総指揮)」といったほうがいいように私には思われますが,何はともあれ時代の最先端を走っていることは確かです.
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写真の「プラダ・ブティック青山」が日本で見られる彼らの建物です.私も去年東京に行ったときにいってきました.妻が一緒なら中に入ることもできたのでしょうが,その時は一人だったのでさすがにおじけづいて外からだけ見てきました.アリアンツ・アリーナ同様,菱形がデザインのモチーフになっています.なんとも不思議な建築です.

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