ウィスキー蒸留所
スコットランドのウィスキー蒸留所では猫もちゃんと「検疫部長」という役職をもっているそうです.というのもウィスキーの原料である麦芽をネズミから守る役割をしているからです.
そもそも蒸留所巡りをしようと思ったきっかけは余市町に関する仕事でした.余市町は言わずとしれたニッカウヰスキーのおひざ元です.設計の条件に「スコットランド風にせよ」とあり,スコットランドについて調べていると必然,蒸留所について知ることとなりどうにも行きたくなったのです.ちょうどそれまでの勤めを辞めて独立するタイミングで,思い切って行くことにしました.
蒸留所につきもののとんがり屋根に笠をかぶった建物は,泥炭の一種であるピートを燃やしてその煙で麦芽を燻すことに使います.ウィスキーのスモーキーな香りに欠かせない工程です.スモークされた麦芽は加水され醗酵し,その後蒸留されます.
画像のポットスティルと呼ばれるものが蒸留器です.さらに樽に詰められ熟成されます.
余市のニッカ工場もそうですが,スコットランドの蒸留所もたいがい見学が出来ます.そしてひととおり見学をし終わった後にはお疲れ直しにそこで作っているシングルモルトを飲ませてくれます.食べ物は何でもそうですが,作っているところで食べたり飲んだりするのが一番です.作り手も「どうだ!うまいだろう!」という気迫がこもっているので,こちらも「うまい!」となってしまいます.
シングルモルトの蒸留所は大概,山奥にあります.ですからツアーではなく個人で廻ろうとした場合にはレンタカーを利用するのがお薦めです.イギリスは日本と同じ左側通行なのであまり違和感はありません.ただ,ロータリー状の交差点だけは注意が必要です.それと,当然ですが飲酒運転にはくれぐれもご注意ください.