« 軽井沢山荘 | コラム トップ | 校舎の思い出 »

軽井沢の教会

軽井沢には早くから外国人宣教師が入ったこともあり数々の教会があります.「聖パウロカトリック教会(旧聖ポール教会)」はアントニン・レーモンドの設計です.札幌にある「聖ミカエル教会」と比べると丸太で構成されたトラス構造など共通点が多くありますが,ひとまわり小さいかわいらしい教会です.元来ヨーロッパの出身であるレーモンドが設計したキリスト教会でありながら,どことなく日本的な自然観がただよう空間になっています.
StPaul01.jpg

「現代日本建築家全集1 アントニン・レーモンド」にある三沢浩さんの解説によると,レーモンドはこの教会の建設に当たり,最初に設計図を作ってあたったわけではなく,地元の大工さんとやりとりを交わしその技術を生かしながら造っていったそうです.建築とは設計者が卓上ですべてを決めるのではなく,作り手と一緒に,その地の材料や技術を駆使して造っていくものだということなのだと思います.
StPaul02.jpg

もうひとつ印象的だったのが宿泊したホテルブレストンコートの敷地内にある「石の教会」で,こちらはケンドリック・ケロッグの設計です.ある意味,建築の一般的概念を乗り越えたような造形です.ホテルの敷地内にあることからもわかるように,結婚式(ブライダル)に使われることが多いようで,アプローチの演出等工夫がこらされています.石を主体にできている原始的な,それゆえ大地の一部と思われるよな造形は,結婚という厳粛な儀式の場としてはとても好ましいように思いました.
stone01.jpg
stone02.jpg

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.mobi-archi.com/mt/mt-tb.cgi/79