アルヴァ・アアルト
フィンランドの建築家アルヴァ・アアルトは大好きな建築家の一人です.彼の手がけたほとんどの住宅がフィンランドの森の中にあり,そんな状況が私が生まれ育った北海道に共通するのもひとつの理由かもしれません.自らも建築家である斎藤裕さんによる本「ヴィラ・マイレア」を購入しました.
アアルトの代表的な住宅で,斎藤さんの撮影した写真も素晴らしいのですが,アアルトの残したスケッチをもとにその設計過程を解説した文もとても参考になりました.
建築についてなにも知らないまま大学の建築学科に入学し,いろいろと建築の本をみるようになって,真っ先に心惹かれたのがアアルトの「メゾン・カレ」というフランスに建つ住宅でした.特に細長い松材で出来た大きな曲線でうねる天井のエントランス・ホールの写真は何度も繰り返しみたように思います.
私にとってアアルトの建築のすばらしさは,あたたかくやわらかく,素朴でありながら洗練されているところです.使われている素材は木やレンガなどの天然系のもので,写真を見ていてもついさわってみたくなるようにその素材の持つ良さが引き出されています.
フィンランドも今は通貨がユーロになってしまいましたが,かつて独自の通貨だった頃,お札に入った肖像にアアルトが使われていました.おそらく建築家の肖像がお札に使われていたのはアアルトくらいだと思います.かくいう私はフィンランドに行ったこともなければ,アアルトの建築を実際にみたこともありません.ぜひ一度見に行きたいと思っています.