豊潤な神々
インドは宗教と生活がとても密接につながっている国です.ほとんどの人がヒンドゥー教もしくはイスラム教ですが,ほかにもいくつかの宗教があります.画像はインド西部のグジャラート州・アーブ山にあるジャイナ教の寺院のドームを見上げたところです.
ジャイナ教は仏教とほぼ同じ頃,つまり紀元前5世紀ころが起源で,特徴のひとつとしてアヒンサー(不殺生)という教義があります.仏教にも同様の教えがありますが,このような生き物を殺してはいけないという考えはインドには今も根強く,多くの人が野菜しか食べない菜食主義(ベジタリアン)です.インドで売っている蚊取り線香はそのようなわけか,あまり効果がありません.
偶像崇拝を徹底的に禁止しているイスラム教とは対照的に,インドのヒンドゥー寺院では実にさまざまな生き物のかたちをした神様を見ることができます.このジャイナ教の寺院では,実に豊満・豊潤な女神像が随所に見られます.女性を生命の源として尊んでいたのかもしれません.
インドの建築についてさらに知りたい方は神谷武夫とインドの建築をご覧ください.すばらしいサイトです.この神谷武夫さん著書のインド建築案内もインド建築を知る上でもっともいいテキストだと私は思います.