景色の見える洗面化粧台
カタログから製品を選ぶだけでなく,状況に応じてそれにあったものを作っていくのも住まい作りの醍醐味のひとつです.
画像はそのひとつの例で,外の景色を楽しみながら使うことのできる洗面化粧台です.一般に洗面化粧台は正面に鏡があって顔を映すことにことになりますが,ここでは正面のきれいな景色を見ながら,なおかつ左右の収納を兼ねた造作のキャビネットの鏡を斜めにすることで,顔が見られるようにしました.クライアントとの度重なる打ち合わせで出てきたアイディアです.
キャビネットの内部は画像のように小物を収納できる棚になっています.既製品を使ってはどうしてもこのようなことはできませんから,建具屋さんに製作してもらいました.多少手間はかかりますが,こんな仕掛けでどれだけ日々の暮らしが豊かになることでしょう.
この画像はこの家にもうひとつある洗面所の壁に埋め込んだ化粧鏡ですが,鏡のついた扉が三面鏡になっていて,さらにその裏は収納になっています.
確かに既製品の樹脂製洗面化粧台は,メンテナンスはしやすいのかもしれませんが,面白さに欠けるかもしれません.住まい方のこだわりに応じて,こうしたオリジナルの造作をするのもひとつの方法です.また,そうした要望にお応えするのが私の仕事だと考えています.