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下見板

北海道の広大で自然いっぱいの敷地では,外壁を板張りにすることが多くあります.ほとんどの場合,板の端部をすこし重ねて横に張っていく下見板張りです.まちなかで敷地いっぱいに建物を建てる場合は法律上,外壁の防火性能が求められるので,可燃性の木を外壁に使うのは難しい場合があります.(絶対できないわけではありませんが,面倒です.)下見板張りは北海道ではお馴染みの技術で,かつての木造校舎はたいがいそうでしたし,今でも残っている古い住宅にもよく見られます.
古い民家の下見板張り
この技術,起源はヨーロッパで,イギリスの南東部かスウェーデンかどちらかだそうです.それが地球を西回りに大西洋を越えてアメリカ大陸に渡り,さらには開拓民とともにアメリカ大陸を西へ西へと進み,西海岸のカリフォルニアに達します.そして明治政府の招きで北海道開拓の指導のために訪れたアメリカ人と共に太平洋を渡り日本に伝えられたそうです.そうした由来については藤森照信著 日本の近代建築 に詳しくあります.藤森さんの本はどれもそうですが,この本もとてもわかりやすくおもしろいのでお薦めです.

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ちいさいおうち

蕎麦が好きで,昼食は毎日蕎麦でもいい私です.家でも作りますが,お店にもよく食べに行きます.量が少ないお店ではまず冷たい蕎麦を食べてからあたたかい蕎麦も食べます.そんなわけで旅先でもお蕎麦屋さんに行くことがしばしばですが,東京のお蕎麦屋さんでお気に入りなのが画像の神田「まつや」です.
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池波正太郎も常連だったというお店で,おいしいのはもちろんのこと,値段も高くないし量もあるのでお薦めです.いくらおいしくても量が極端に少なかったり値段が高かったりするのは嫌です.このお店,JRの神田駅と秋葉原駅の中間あたりにあるのですが,ご覧のように周囲を高いビルに囲まれている木造の古い建物です.これを見て思い出すのが,子供の頃に見ていた絵本のちいさいおうち です.とても有名な絵本なのでご存じの方も多いと思いますが,田舎の小さな家がしだいに周囲が都市化していってビルに囲まれてしまうというお話しです.作者のバージニア・リー・バートンには他にもとてもおもしろい絵本があって,子供の頃すり切れるまで繰り返し読んだ覚えがあります.

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軽井沢山荘

4月の末,たまっていたマイレージを使って,連休前のまだ静かな軽井沢に行って来ました.こぶしの白い花が満開で,桜も咲き始めていました.
軽井沢に行こうと思った理由のひとつが画像の「軽井沢山荘」をぜひ見たいと思っていたからです.吉村順三設計のあまりにも有名な名作です.今までに何度も図面は見ていますし,いろいろな本で写真も見ていました.長年恋いこがれていたあこがれの人に会いに行くようなものです.ただし,個人の住宅なので敷地の外からそっとうかがうだけでしたが,それで充分でした.私にとってはその建物がどんな場所にあるのかそれを体験できればそれでいいと思いました.
軽井沢山荘

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内部建具

住宅には少なからずドアや引き戸といった内部の建具があります.中には「違いがわかる男」でも有名な建築家・清家清さんの自邸のように内部建具がひとつも無い住宅もありますが,かなり例外です.(この清家邸については 「私の家」白書 戦後小住宅の半世紀 に詳しくあります.)
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なぜ建具が必要かというと,やはり部屋の独立性を高めるためということになると思います.光や音が洩れないように,また視線を遮るためといった機能です.でも場合によっては光が通った方がいい場合もあります.画像は玄関ホールから居間に入るドアです.玄関ホールが暗いので少しでも居間の光が入るように大きな透過性のポリカーボネート板が入っている框(かまち)ドアです.ガラスの場合は割れると危険なので強化ガラスを使いますが,ここでは乳白で2重になったツインカーボというものを使っています.多少の衝撃にも割れませんし,仮に破損してもガラスのように破片で怪我をする危険がほとんどありません.

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アルヴァ・アアルト

フィンランドの建築家アルヴァ・アアルトは大好きな建築家の一人です.彼の手がけたほとんどの住宅がフィンランドの森の中にあり,そんな状況が私が生まれ育った北海道に共通するのもひとつの理由かもしれません.自らも建築家である斎藤裕さんによる本「ヴィラ・マイレア」を購入しました.
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アアルトの代表的な住宅で,斎藤さんの撮影した写真も素晴らしいのですが,アアルトの残したスケッチをもとにその設計過程を解説した文もとても参考になりました.

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北の家図鑑

今日は月曜塾の例会日で,先日の南大通周辺での町歩きで他の班が撮影した写真を見ることができたので,その中から画像を載せようと思いました.
でも,その前に釧路の古い建物を知る上でとても参考になる本をご紹介します.涌井義美さんという方が絵と文をかかれた「釧路発 北の家図鑑」です.
北の家図鑑 表紙
明治から昭和の初期にかけて建てられた,主に住宅を中心に釧路の古い建物をイラスト入りで解説した本で,釧路の古建築を知るにはとても参考になる貴重な本です.

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豊潤な神々

インドは宗教と生活がとても密接につながっている国です.ほとんどの人がヒンドゥー教もしくはイスラム教ですが,ほかにもいくつかの宗教があります.画像はインド西部のグジャラート州・アーブ山にあるジャイナ教の寺院のドームを見上げたところです.
アーブ山ジャイナ教寺院ドーム
ジャイナ教は仏教とほぼ同じ頃,つまり紀元前5世紀ころが起源で,特徴のひとつとしてアヒンサー(不殺生)という教義があります.仏教にも同様の教えがありますが,このような生き物を殺してはいけないという考えはインドには今も根強く,多くの人が野菜しか食べない菜食主義(ベジタリアン)です.インドで売っている蚊取り線香はそのようなわけか,あまり効果がありません.

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ラッフルズ・ホテル

若い頃,アジア・ヨーロッパを旅していたときは貧乏旅行でしたから,とにかく安い宿を泊まり歩いていました.というよりも旅費の中で宿泊費のしめる割合はとても大きかったので,いかに安くていい宿を見つけるかということはバックパッカーにとってとても重要なことでした.シンガポールという都市国家はバックパッカー泣かせであのあたりではダントツに物価が高く,安宿も少なくてあまりのんびりできない街でした.結局私が泊まったのは大部屋にベッドがたくさん並ぶいわゆるドミトリーというタイプの宿でしたが,それでも宿泊代はかなり高かった覚えがあります.部屋は男も女も一緒で,ヨーロッパの女の子が突然胸をはだけて着替えたりすると目のやりどころに困ってドギマギしたことを覚えています.
ラッフルズ・ホテル
泊まることはできなくても,とりあえずラウンジでお茶くらい飲んでこようと行ったのがかの有名なラッフルズ・ホテルです.私としては一番きれいな服を着ていったつもりですが,やはり場違いな思いをした記憶があります.

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水越武写真展

北海道立釧路芸術館「大地への想い 水越武写真展」が開かれています.私は16日の日曜日,ご本人が作品について説明してくれる「アーティスト・トーク」にあわせて行って来ました.
水越さんは現在弟子屈町在住ですが,世界中の大自然を撮り続けている写真家です.今回はその代表作200点あまりを一堂に紹介する展覧会で11月15日まで開かれています.(月曜休館)
水越武写真展チケット

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本棚

私にとって現在一番の悩みは,本の置き場所が無くなりつつあることです.この悩みは本好きの私にとって一人暮らしをはじめた学生時代から今日に至るまで,繰り返しつきまとってきました.とにかく増える一方なので,仕方ありません.
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画像のNS邸では,あらかじめかなりの蔵書があるとお聞きしていたので,できる限り本棚を作りました.

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マラッカの夕陽

沢木耕太郎「マラッカの夕陽は大きい・・・」ということを何かの本で知って,マラッカに夕陽を見に行ったと「深夜特急」にあったように思います.そして,私はその「深夜特急」を読んでマラッカに行きました.
マラッカの夕陽
実際に体験したマラッカの夕陽は大きいというよりも,自分を取り巻く空気全体が色づくような感じでした.忘れられない体験です.

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優雅に繊細に

先の月曜塾例会では京都の佳水園に泊まってきた三浦さんが,その時の写真を解説してくれました.巨匠・村野藤吾が設計した数寄屋建築です.見所がいっぱいあってとても勉強になりました.
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画像は去年の暮れ,東京に行った際に見てきた旧千代田生命本社ビル(現在は目黒区役所)で,1966年竣工の村野藤吾設計の建物です.

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間取りの手帖

不動産広告に載っている変な間取りを集めた本「間取りの手帖」はなかなか楽しい本でした.
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60年代を思わせるなんともレトロな装丁ですが,おそらく本のタイトルからいっても,硬派の婦人向け雑誌「暮らしの手帖」を意識してのことだと思います.

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パンテオン

映画「ダ・ヴィンチ・コード」が話題になっていますが,その原作者ダン・ブラウンの「天使と悪魔」という本もとてもおもしろいです.新しいローマ教皇を選出するコンクラーヴェを機にヴァチカンとローマ市内を舞台に物語は繰り広げられます.去年この本を読み始めた時,実際にローマ教皇の交代があり,とても興味深く思いました.
舞台のひとつに登場するのが写真のパンテオンです.
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敷地を見に行く

設計を始めたらまず最初にすることが,クライアントと一緒に敷地を見に行くことです.(もちろん,設計の依頼を受ける前に一緒に見に行くこともあります.)なんともわくわくする楽しい瞬間です.また,早い段階でクライアントと敷地の状況について思いを共有しておくことは重要です.設計中,考えが行き詰まったり迷ったりしたときも再び敷地に足を向けます.「住まいづくり」の中にも記しましたが,敷地の条件を読むことは設計の出発点であり基本です.
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