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2007年10月26日

ふらの演劇工房

月曜塾の観楓会で見学してきた建物のリポート第二弾,ふらの演劇工房です.ドラマ「北の国から」の脚本でも有名な演出家・倉本聰さんが主催する劇団「富良野塾」がフランチャイズとする劇場で,運営は全国で最初にNPO法人を取得した「ふらの演劇工房」が行っています.設計は(株)中原建築設計です.工場長の太田さんに館内を詳しく案内していただきました.実は釧路の「浪花町十六番倉庫」が立ち上がるときもこの団体の方とはいろいろ交流し,アドバイスを受けたりしていた経緯があります.
ふらの演劇工房外観

建物は演劇専用とあって実によくできています.劇場は大きく分けて演じる側とそれを観る側に別れますが,観客側については一般の客席とは遮音された親子室があるし,舞台が見やすく快適でありながら舞台との一体感も感じられる客席だと思いました.さらに驚いたのは舞台の広さ,袖や楽屋などのバックヤードの充実ぶりでした.工場長さんによると「富良野塾」が世界中で公演した際に体験した数多くの劇場の良いとこ取りを結集した結果なのだそうです.演劇を演じる側が主体となって建てられた劇場なのだということがよくわかりました.

私が東京で学生生活を送っていた80年代は学生劇団を主体とした小劇場ブームが巻き起こっていた時期でした.野田秀樹率いる「夢の遊眠社」,鴻上尚史の「第三舞台」,渡辺えり子の「劇団3○○」などが脚光を浴びていました.当時私のお気に入りは「第三舞台」と「山の手事情社」でした.文字通り小さな劇場で,ひらの客席に支給されたビニール袋に靴を入れ小さな座布団に膝を抱えてぎゅうぎゅう詰めで座り,お尻が痛いのを我慢しながら芝居を観た覚えがあります.それでも役者の唾がかかってくるような臨場感と熱気が小劇場の魅力でもありました.

ふらの演劇工房は,大劇場のいろいろな演出が可能なバックステージと,小劇場の舞台と客席が一体となる臨場感があふれる,両方の要素を兼ね備えた劇場だと思いました.今度はぜひ観劇で訪れたいと思います.

演劇(芝居)はとかく都会の文化という思いが私にもありますが,地方からも発信できるのだという拠点として「ふらの演劇工房」にはさらに期待を寄せたいと思います.

2007年10月21日

ログホテル ラーチ

道東は紅葉が美しくなりました.今日は台風の影響か風が強いのでかなり葉も落ちました.
先日,月曜塾観楓会(かんぷうかい)に行ってきました.観楓会とは北海道独自の行事で,秋に紅葉を見に行く小旅行です.北海道では春の桜はあまり多くなく,気候も寒いことからお花見はあまり行われません.その代わりに秋に紅葉を見に行く観風会があります.近場の温泉などにいって宴会をしてくるというのが一般的なスタイルです.とはいえ,月曜塾は建築設計者の集まりなので,ただ単に宴会をしに行ったわけではなく色々な建物の見学も兼ねての小旅行でした.10月13日の朝に釧路を出発し,一路美瑛町まで行き昼食はJAびえいの美瑛選果内にあるアスペルジュというお店でおいしいフレンチを食べました.それから富良野まで戻りふらの演劇工房を見学,富良野市内で夜の宴会の買い出しをしたあと,宿泊先のログホテル ラーチに行きました.
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このホテル,建物のほとんどが北海道産カラマツの丸太でできたログハウスです.フロントやレストラン,メゾネット形式の客室がある棟のほかに今回私たちが宿泊したコテージもあります.
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おいしい夕食のあと,コテージで2次会です.意匠設計を担当した長谷川建築設計事務所の長谷川さんや構造を担当した山岡さんの当時の苦労話を聞きながら宴は盛り上がりました.構造に関しては超高層同様の大臣認定を受けての建築確認だったそうです.これだけの大きなカラマツの丸太をよく集められたものだと驚きました.当然割れも入っていますが,築10年以上を経て変化も落ち着いているようです.
第三セクターの経営で料金もリーズナブルですし,ログハウスが体験でき,景色も最高です.コテージにはキッチンもあって自炊も可能です.大人数でいくにも楽しい施設だと思います.